中学校における部活改革(薩摩川内市)

2025-01-22

2025年1月22日(水)

 

本日は、座間市から直線距離にして約950Km西南に位置する』

『鹿児島県・薩摩川内市』の市役所・3階『第一委員会室』において

『中学校における部活動改革・部活度の地域移行について』と題し 

薩摩川内市の取組について研修をさせて頂きました。 

 

参加者 座間市 (あおぞらひまわりの会)

松橋 淳郎   星野 郁 

 

薩摩川内市担当部局 (薩摩川内市教育委員会 教育部 学校教育課) 

藤田 教育長さま  花木 教育部長さま  中津 課長さま  

長野 担当課長さま 鮫島 グループ長さま  辻 専門員さま  

 

現在、全国の教育委員会では、『こども達のためであれば、長時間勤務もやむ得ない』

としてきた教員の働き方を改める政策がとられるなか、 

教職員の勤務時間をに応じた働き方を推進する施策が全国の自治体で行われています。

 

そのなかで、『中学校における部活活動改革』において、地域を巻き込んで

子ども達の育成に欠かせない革新的な部活動の推進委取り組んでいる 

鹿児島県・薩摩川内市の取組についてご紹介いたします。  

 

薩摩川内市 鹿児島県北西部に位置する、鹿児島県最大面積を誇る自治体 

人口 90,685人(R6年11月)  

面積 682.92㎢ (座間市の約37倍) 

財政規模 令和6年度 当初予算 575億6千万円  

小学校 23校 中学校 11校  

 

現在11の中学校において、1221人の生徒が80運動部活に入部(入部率46.5%)

であります。

 

薩摩川内市では、『学校部活動の地域連携や新たなクラブ活動の在り方』に

係るロードマップに基づき、鹿児島県、さらには、近隣市との情報交換のもと

独自の展開を見せています。 

 

令和5~7年は改革推進機関とし、休日の部活動を段階的に地域移行するため

『実証事業』を展開し、段階的に休日の部活動を地域移行(指導者を委託)へと導く

推進を行っています。

 

現在、鹿児島県内(43市町村)の、11市町村が、独自の『地域運動部活動推進事業』

を、展開する中、薩摩川内市においては、部活動指導者を外部委託ではなく、

市内の地域指導者に特化した『総合型地域スポーツクラブ01』を設立し 

地域の皆さんで、子ども達の部活動指導にあたる地域展開を図っています。

全国の自治体で『中学校部活動の地域移行』を展開するにあたり、

最もネックとなるのが、財政上の問題もありますが、指導者不足が挙げられています。

この指導者の募集にあたり、薩摩川内市の教育委員会では

『指導者人材バンク』を立ち上げ、学校を取り巻く人々との人間関係を構築しながら、

子ども達の部活動の推進を行っているのが特徴です。 

当初は、指導者の人材バンクへの募集をしたが、なかなか上手く物事が進まないとの

お話のなかで、令和5年からはじまった『改革推進期間』では、休日の部活に

当初11中学校のすべてに指導者1名を配置するなか、

徐々に人材バンクに登録をされる指導者が増加し、

今後は、①単一中学校で指導者を派遣するスタイル。

    ②数名の指導者が異なる複数校で実施する(合同部活動)スタイル。

    ③1つの中学校(場所)を使用し、市内全部の生徒が参加しての(生涯スポーツ)スタイル

などを展開していくとの事でありました。 

部活チームの結成にあたり『部活動学会』を設置し、小規模学校の問題では、

合同チームの参加を認め大人の発想とこども達がどういう競技をしたいか研究をするなか

③の(生涯スポーツ)スタイルでは、1つの中学校を拠点とした、全中学校の

 生徒たちの意見を取り入れたPOPダンス部活などの展開も考えているとの事でした。

 

令和6年度における『中学校の地域運動部活動推進事業』の事業内容  

 

1、事業経費 8,700,800円 (財源 一般会計・国の補助金)

2、取り組み内容 

  ①委託による運営の検証  ②人材バンク登録の周知及び登録者の拡大 

  ③受益者負担制度の検討 

  ④『休日における部活動の地域移行推進会議』における課題の協議 

※『休日における部活動の地域移行』推進協議会(年3回開催)

 

  推進委員の構成 

  ・市スポーツ協会会長 ・文化スポーツ課長 ・社会教育課長 ・スポーツ推進委員

  ・市PTA連合会会長 ・保護者代表 ・地域指導者代表 ・市中体連会長 

  ・市校長会会長 ・地域部活動本部事務局長  

 

また、薩摩川内市教育委員会では、令和6年度の

『休日における部活動の地域移行についての『教職員』と『生徒』たちの

意識調査を実施しており『教職員』の調査結果では、(休日に地域指導者が指導に係る事によって、時間外勤務が改善される)と答えた教職員は90%。 

『生徒』たちの意識調査では、(地域指導者の指導に満足している)と答えた生徒は96%

となっており、 技術力もあり、わかりやすく教ええて頂き充実しているとの事でした。

市教育委員会では成果として、3つを挙げています。

 

 ①顧問教職員の『時間外勤務の改善』 

 ②地域指導者の専門的指導による『生徒の技術向上』 ③『制度の基盤づくりの確立』を

 挙げられています。

 

 最後に、今後の課題などの説明もありましたが、

 部活指導において、外部委託において専門知識をもつ指導員を配置するのも一つと考えま すが、

 薩摩川内市のスタイルとして、人材バンクを設立し、地域からスポーツの専門知識を持つ

 指導者を募集(発掘)し、 地域の子ども達は地域で見守りながら指導にあたる、

 部活を通じて地域コミュニティがつながる素晴らしい取り組みの説明を頂いた

 研修となりました。 

 また、鹿児島県と近隣市の部活改革に係る動向をうかがいながら情報交換をして

 中学校の地域移行を推進の仕方は、座間市においても今後取り入れていく

 必要性を強く感じました。

 

 薩摩川内市・藤田 教育長さまをはじめ、教育部・議会事務局の皆様 ご丁寧な

 ご説明を頂き、心より感謝を申し上げます。 ありがとうございました。